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2016.10.28 遺留分についての実例

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こんにちは。

六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。

私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。

新宿事務所にて、ご相談を承っております。

 

 

 

前回のコラムにて、遺留分のご説明をしましたが、今回は具体的に例をだしてご説明します。

 

 

 

 

【具体例】

 

例1)相続人が妻と子の場合

 

 基礎財産:1億円

相続人:妻1人、子1人

 

① 法定相続の場合(遺言書がない)

法定相続分:
妻:5,000万円(1/2)
子:5,000万円(1/2)※複数いる場合は人数割り

 

 

② 遺言書あり遺言相続が開始された場合

 

遺言内容:
妻と子以外の第3者Aに7000万円贈与、残りの財産を妻と子で分割する旨記載

遺言に従うとそれぞれが下記金額になります。
妻:1500万円
子:1500万円
A:7000万円

 

 

しかしながら、妻と子には遺留分が保証されております。

侵害された遺留分について、Aに「遺留分減殺請求」をすることができます。

遺留分減殺請求をした結果、相続の配分は下記にようになります。

 

妻:2500万円(相続基礎財産の1/4)
子:2500万円(相続基礎財産の1/4)
A:5000万円

 

 

 

例2)相続人が妻と兄弟姉妹の場合

 

基礎財産:1億円

相続人:妻、兄弟姉妹(ここでは兄1名とします。)

 

 

① 法定相続の場合(遺言書がない)

 

法定相続分:
妻:7500万円(3/4)
兄:2500万円(1/4)

 

 

② 遺言相続が開始された場合

 

遺言内容:
妻と兄以外の第3者Aに7000万円贈与、残りの財産を妻に3/4、兄に1/4残す旨記載

遺言に従うとそれぞれが下記金額になります。

妻:2250万円
兄:750万円
A:7000万円

 

 

上記の場合、遺留分が保証されているのは妻だけになります。

従って、妻のみが侵害された遺留分について、Aに「遺留分減殺請求」をすることができます。

 

 

遺留分減殺請求をした結果、相続の配分は下記にようになります。

妻:3750万円(相続基礎財産の1/2)

兄:750万円

A:5500万円

 

 

 

例3)相続人が子のみ場合

 

基礎財産:1億円

相続人:子のみ

 

 

① 法定相続の場合(遺言書がない)

法定相続分:

子:1億円 ※複数いる場合は人数割り

 

 

② 遺言相続が開始された場合

 

遺言内容:

子以外の第3者Aに7000万円贈与、残りの財産を子に相続する旨記載

遺言に従うとそれぞれが下記金額になります。

子:3000万円

A:7000万円

 

 

しかしながら、子には遺留分が保証されております。

侵害された遺留分について、Aに「遺留分減殺請求」をすることができます。

 

遺留分減殺請求をした結果、相続の配分は下記にようになります。

子:5000万円(相続基礎財産の1/2)

A:5000万円

 

 

 

例4)相続人が両親のみの場合

 

基礎財産:1億円

相続人:両親のみ

 

 

① 法定相続の場合(遺言書がない)

法定相続分:

両親:1億円 ※(父母共に存命であれば各5,000万円)

 

 

② 遺言相続が開始された場合

 

遺言内容:

両親以外の第3者Aに7000万円贈与、残りの財産を両親に相続する旨記載

 

遺言に従うとそれぞれが下記金額になります。

両親:3000万円 ※(父母共に存命であれば各1500万円)

A:7000万円

 

しかしながら、両親には遺留分が保証されております。

侵害された遺留分について、Aに「遺留分減殺請求」をすることができます。

 

遺留分減殺請求をした結果、相続の配分は下記にようになります。

両親:3333万円(相続基礎財産の1/3 父母ともに存命であれば各1666万)

A:6667万円

 

 

 

 

例5)兄弟姉妹だけで相続する場合

 

基礎財産:1億円

相続人:兄弟姉妹のみ

 

 

① 法定相続の場合(遺言書がない)

 

法定相続分:
兄弟姉妹:1億円 ※(父兄弟姉妹が複数いる場合は1億円を人数で割ります。)

 

 

② 遺言相続が開始された場合

 

遺言内容:

兄弟姉妹以外の第3者Aに7000万円贈与、残りの財産を兄弟姉妹に相続する旨記載

遺言に従うとそれぞれが下記金額になります。

兄弟姉妹:3000万円 ※(兄弟姉妹が複数いる場合は3000万円を人数で割ります。)

A:7000万円

 

 

兄弟姉妹には遺留分は保証されておりませんので、上記の遺言に従うしかないということになります。

 

 

 

 

このように、遺言の効力も絶対ではなく、遺留分権利者の遺留分を害する範囲では無効となります。

もっとも、遺留分減殺請求権を行使しなければ効力は生じません。

 

行使しない場合は、

そのまま遺言通りとなります。

 

例を出して、遺留分の割合についてご説明してまいりましたが、なんとなくご理解頂けたでしょうか。
遺産相続に関するトラブルは法律が関わってくる事でさらに複雑化している事が多いので、遺言書の効力や、自身の権利など、すこしでも迷う場面がありましたら、弁護士や専門家に早めにご相談下さい。

 

 

 

お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

新宿事務所にてお待ちしております。

 

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六法法律事務所は、弁護士の資格の他に、税理士や司法書士の資格も保有しています。

このため遺産整理業務などご依頼を受ける相続案件では、弁護士業務と並行して相続税申告、登記移転業務も行います。

信託銀行などの遺産整理業務は、税務申告は税理士に、登記手続きは司法書士に依頼するので、それぞれに費用がかかってしまい、合算すると大きな金額に登ります。

 

 

 

 

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