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2017.8.7 【相続税対策での養子縁組は有効か無効か】

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こんにちは。
六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。
新宿オフィスにて、ご相談を承っております。

 

 

 

2017年1月31日に相続税節税・養子縁組訴訟の判決が最高裁判所より言い渡されました。

 

新聞などでご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

最高裁判所は、

 

「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」

 

との初判断を示しました。

 

 

今回のコラムでは、この裁判についてご説明しましょう。

 

 

 

 

【相続税節税・養子縁組訴訟】

 

この訴訟の争点は、

「相続税対策で孫と結んだ養子縁組は有効かどうか」でした。

 

 

この訴訟に至る経緯は、以下です。

 

(経緯)

2013年に死亡した男性(当時82歳)が、長男の息子(当時1歳)である孫と亡くなる前年に養子縁組をした。

この縁組に対して、死亡した男性の長女と次女が無効を求めて提訴。

 

 

(第一審、第二審判決)

一審判決では、男性本人が縁組届を作成したとして有効と認定。

 

二審判決は、長男が税理士を連れて節税メリットを父親に説いていたことから「相続税対策が中心で男性に孫と親子関係を創設する意思はなかった」として養子縁組を無効と判断していた。

 

 

そして注目の最高裁判決が、2017年1月31日にありました。

 

最高裁判所は、以下のように判決を言い渡したのです。

 

 

(最高裁判決)

 

「節税の動機と縁組の意思は併存し得る」と指摘。

 

縁組の意思があれば節税目的の養子縁組を認める初の判断を示したうえで、

 

「男性に縁組の意思がないとはいえない」ため、孫との縁組は有効である。

 

 

この最高裁判決は、相続税対策として縁組が広がりつつある現状を追認した形です。

 

 

 

 

 

【どのくらいの節税効果があるのか】

 

では、このように養子縁組をしたことで、どのくらいの節税効果があるのでしょうか。

 

法律では、養子も相続人として認められています。

 

実子がいても養子は1人まで、実子がいなければ2人まで相続人に含められます。

 

相続税額は、遺産全体から一定額を差し引いた上で算出されます。

 

この控除額は、3000万円が基本で、相続人1人につき600万円が加算されます。

 

 

今回の訴訟例でいえば、

 

相続人は、長男と長女、次女、そして孫の4人なので

 

控除額は、3000万円+600万円×4人=5400万円です。

 

 

このように、相続人が多いほど控除額が増えて税金が減るため、節税目的で養子縁組するケースが少なくないないのです。

 

 

 

 

【養子縁組が争いのもとになりうる!?】

 

では、なぜ節税効果のある養子縁組に対する争いが起きたのでしょうか。

 

確かに、節税という点において養子縁組はとても有効であったかもしれません。

 

しかしながら、各相続人の遺産分割割合ということにも気遣うことも大切です。

 

もともと3人兄妹なら、孫を養子に迎えると相続人は4人に増えます。

 

法定相続分通りに分けると各人の相続分は3分の1から4分の1へと減ることになります。

 

そして、今回のケースの場合は、孫は長男の子供であるため、長男一家が合計2分の1をもらえるのに、長女次女は4分の1と相続財産が減ってしまったことが争いの原因でしょう。

 

 

 

 

 

【まとめ】

 

今回の最高裁の判断は、今後の相続に大きな影響を与える可能性があるでしょう。

 

今後、養子縁組が無効となるのは、当事者に縁組の意思がない場合などに限られそうです。

 

 

後々にもめることを避けるためにも、

 

相続税対策をする場合は、「その他の相続人に対する配慮」も忘れずになさってください。

 

 

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六法法律事務所は、弁護士の資格の他に、税理士や司法書士の資格も保有しています。

 

このため遺産整理業務などご依頼を受ける相続案件では、弁護士業務と並行して相続税申告、登記移転業務も行います。

 

通常、信託銀行などの遺産整理業務は、税務申告は税理士に、登記手続きは司法書士に依頼するので、それぞれに費用がかかってしまい、合算すると大きな金額に登ります。

 

弊事務所では、それをワンストップサービスで行えますので、費用の負担も抑える事が可能となります。

 

お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

 

新宿オフィスにてお待ちしております。

 

 

 

 

 

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