こんにちは。
六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。
新宿オフィスにて、ご相談を承っております。
前回のコラムに続き、相続放棄についてお話します。
相続と聞くと、プラスの財産を思い浮かべる方も多いと思いますが、実はマイナスの財産もあります。
万一、借金を背負う可能性があるのであれば、相続放棄の手続きをしたほうがいい場合もあります。
また、そのほか、相続を放棄したほうがいい場合もあります。
相続すべきか、それとも相続放棄すべきか。
今回は、【相続放棄をしたほうがいいケース】についてです。
【相続放棄をしたほうがいいケース】
下記のような場合は、相続放棄をしたほうがいいケースでしょう。
- 1.債務超過の場合
- 2.生命保険を受け取ることができる場合
- 3.被相続人が保証人になっている場合
- 4.相続手続きなどで、他の相続人と関わりたくない場合
- 5.被相続人が訴訟の被告になっている場合
1.債務超過の場合
被相続人の相続財産がマイナス(債務超過)の場合は、相続放棄をしたほうがいいでしょう。
例)借金5000万円、預金3000万円を残して亡くなった場合
上記の場合は、預金から借金を差し引いた額を相続することになります。
つまり、放棄しなければ、2000万円の借金を相続してしまうということです。
2.生命保険を受け取ることができる場合
例)借金5000万円、預金3000万円、生命保険3000万円を残して夫が亡くなった場合
(※妻が死亡保険受取人)
上記の場合、妻がそのまま相続すると1000万円のプラスの相続になります。
しかしながら実は、相続放棄をすることで、生命保険の3000万円のみを引き継ぐことができるのです。
結果、3000万円が残ります。
契約者(保険料負担者)と被保険者が同じで、死亡保険金受取人が妻である場合、死亡保険金は妻固有の財産になりますので、死亡した夫の財産ではありません。
そのため、妻は相続を放棄しても死亡保険金を受け取ることができるのです。
3.被相続人が保証人になっている場合
例)夫が借金5000万円の保証人となったまま亡くなった場合
そのまま相続した場合、保証人としての義務も相続人が引き継ぐことになってしまいます。
もちろん、借金とした当人がすべての返済をすれば問題はありませんが、万一返済できない場合は、保証人が借金を返済することになります。
そのため、保証人になっている場合は、相続放棄を検討したほうがいいケースもあります。
4.相続手続きなどで、他の相続人と関わりたくない場合
相続が発生すると、遺産分割や名義変更などの手続きのために、ほかの相続人と話し合いをしなければいけなくなります。
相続するものが何もない場合でも、いろいろな手続きのために、実印を求められたり印鑑証明書が必要だったりと手間がかかる可能性もあります。
ほかの相続人と関わりを持ちたくないような場合は、相続放棄することで、このような手続きから解放されます。
5.被相続人が訴訟の被告になっている場合
被相続人が被告として訴えられている場合、そのまま相続してしまうと、被告の地位まで引き継ぐことになります。
もし何も事情を知らないままでその地位を引き継いでしまうと、とても大変なことになってしまいます。
このような場合も、相続放棄は有効な手段となります。
相続人全員が相続放棄した場合は、その裁判には被告人がいなくなりますので、結果として裁判が終了することになります。
【まとめ】
相続放棄という手段は、状況によってはとても有効な手段となります。
しかしながら、
プラスの財産とマイナスの財産がどれだけあるのか、
保証人になっているのかいないのか
など、実際に把握するのはとても難しいことです。
そのうえ、相続放棄をする判断は3カ月以内に行う必要があります
相続放棄をお考えの場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
次回のコラムでは、相続放棄することでのデメリットについてお話します。
相続に関して、お悩み等ございましたら、相続専門の六法法律事務までお気軽にご連絡ください。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
六法法律事務所は、弁護士業務と並行して相続税申告、登記移転業務も行いますので、迅速かつ安価で手続きを完結することができます。
ぜひお気軽にご相談下さい。