こんにちは。
六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。
新宿オフィスにて、ご相談を承っております。
妊娠中に不慮の事故で配偶者が亡くなることもあるかもしれません。
そのような場合の相続はそのように行われるでしょうか。
本日は、胎児の相続権についてお話ししたいと思います。
【胎児の権利能力について】
権利能力とは、自然人や法人が、権利・義務の主体となることができる資格をいいます。
そして、権利能力の始期は、出生です。
民法では、「私権の享有は出生により始まる」とあります。(第3条第1項)。
つまり、原則として、胎児は権利義務の主体になることはできないということです。
【権利能力の始期における胎児の例外について】
権利能力は原則として「出生」により始まるものです。
しかしながら、この原則に従うと、胎児の生まれてくる時期の早い遅いで、相続できたり相続できなかったりなどが決まってしまう等、不合理なケースが起こりえます。
そのため、例外的に以下の法律行為については、「胎児は既に生まれたもの」という規定(721条・886条・965条)が置かれ、出生前の胎児も出生後の胎児と同様に利益が保護されています。
1. 不法行為に基づく損害賠償の請求(721条)
例)胎児の父が交通事故で死亡した場合に生じた損害につい賠償請求権等
2. 相続(886条1項)
例)胎児の父が死亡した場合の相続権
3. 遺贈(965条)
例)胎児に対して、遺言で不動産を遺贈する等
但し、この例外は、生きて生まれて来ることを条件にとしています(※停止条件)のでご注意ください。
【まとめ】
胎児が無事に生まれてくれば胎児も相続人となります。
しかしながら、胎児が生まれるまでは、だれが相続人であり、相続分がいくらなのかも決まりません。
また、胎児が生まれてから相続人全員で遺産分割協議をする場合も、生まれてきた子に判断する能力はないので、特別代理人を選任する必要があります。
法律では、母親は未成年の自分の子の代理人となることはできません。
代理人になれるのは、利害が対立しない相続人でない第三者であり、家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
このように、胎児が相続人である場合、実際の遺産分割協議は複雑になることがあります。
未成年の相続人がいる場合の手続きにつきましては、次回のコラムでお話しさせていただきます。
相続に関して、お悩み等ございましたら、相続専門の六法法律事務所までお気軽にご連絡ください。
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