こんにちは。
六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。
新宿オフィスにて、ご相談を承っております。
前回は「検認」という手続きについて、その内容と目的などをお伝えしました。今回は検認をせずに遺言書を開封するとどうなるかをお伝えします。
【「検認」の目的と方法】
前回お知らせしたとおり、自筆証書遺言は家庭裁判所での検認が必要です。この目的は、相続人に遺言書が存在することを知らせ、また遺言書が改ざんされないようにすることです。
検認は相続人または自筆証書遺言を見つけた人が、家庭裁判所に検認の請求を申し立てて始まり、検認日に相続人の立ち合いのもとで開封されて、内容や形状などを調べ、検認調書を作成し、その調書とともに遺言書が戻されます。だいたい2か月ほどかかる手続きです。この検認調書が手に入って、初めて金融機関の口座名義の変更や、不動産登記の名義変更など、実質的な相続手続きができるようになります。
【「検認」をしないまま開封してしまったら?】
検認手続きをせずに遺言書を開封してしまい、さらに遺言内容を実行した場合には、5万円以下の罰金が科されます。けれども検認を受けずに開封してしまっても、遺言の内容は無効にはなりませんし、開封した人の相続権も変わりません。通常通りに相続が可能です。
一方で検認手続きをせずに勝手に遺言書を開封してしまった場合、他の相続人から「実は開封した後に、内容を改ざんしたのではないか」と疑いの目を向けられることは避けられません。そんな小さな疑いから相続トラブルに発展することもあるので、要注意です。
また検認済みの遺言書が無いと、預金口座の名義変更や、不動産の登記変更ができません。
不動産の登記変更ができないということは、相続財産を受け取れないということ?とご心配になるかもしれませんが、大丈夫です。家庭裁判所の検認を受ける前に、遺言書を開封してしまった場合でも後から検認を受けることができます。
うっかり遺言書を開封してしまった後からでも、必ず家庭裁判所の検認を受けましょう。
【遺言は公正証書遺言で】
自筆証書遺言は気軽に自分だけで作れるので、作成する方が多いものです。しかしここまで見たように、自筆証書遺言が遺言書としての機能を果たすまでには、特別な手続きと日数がかかります。
遺産相続も検認調書ができあがるまで凍結されます。相続人にとっては負担が大きいものと言えそうですね。
2020年7月からは民法の改正が実行され、自筆証書遺言を登記所で保管できるようになり、その遺言書には検認が必要なくなります。しかし自筆証書遺言を登記所に保管する手続きをとらない場合には、検認手続きが必要です。
では、今、相続人の負担を減らし、遺言書があってよかった、と喜んでもらえるような遺言を作るにはどうすればいいのでしょうか。
それはあなたが亡くなってすぐに役に立つ遺言書、具体的には弁護士と相談して法的に有効な内容の「公正証書遺言」を作成することです。公正証書遺言は検認の必要が無く、相続人はあなたが亡くなったら遺言書をすぐに開封して、その内容を実行することが可能です。
本当に役に立つ遺言書を作ることが、家族への大きな遺産になります。ぜひ弁護士に相談して遺言書を作る準備をしましょう。
相続に関して、お悩み等ございましたら、相続専門の六法法律事務所までお気軽にご連絡ください。
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