こんにちは。
六法法律事務所の弁護士道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。新宿オフィスにて、ご相談を承っております。
相続におけるケースでは、遺産についての分配を話し合っている途中(遺産分割協議の途中)で相続人の内の一人が亡くなってしまうことがあります。
相続人が亡くなった場合は、当然ながらその相続人に対する相続が発生します。
このように、遺産分割中に別の相続が発生することを、「数次相続」といいます。
今回は数次相続が起こった場合において、遺産の分割はどのようになるのか解説いたします。
【数次相続とは】
数次相続とは、相続手続きの中で遺産分割協議や相続登記が完了する前に相続人の1人が死亡してしまい、次の遺産相続が開始されることを指します。
ケースによっては相続手続きが3回重なる状態もありえます。
【相続が長期に渡ると起きやすい】
数次相続は相続手続きが長引けば起こりやすいといえます。
遺産分割協議も相続人同士の意見がまとまらなければ、長期に渡って話し合いをすることになりますが、そうこうしているうちに相続人が病気等で死亡してしまい複数の相続が重なってしまう事態に繋がるというわけです。
数次相続が発生すると被相続人と共同の相続人が増え、権利関係が整理しにくくなるというデメリットが出てきます。そうなれば、遺産分割協議自体も前に進まなくなり、遺族間での新たなトラブルを生むリスクも増えてしまいます。
【数次相続の分割例】
数次相続が起こった際の分割例を2点ご紹介いたします。
(例1):2次相続
上記の図の場合は、被相続人が亡くなった後の相続は妻と子供2人の計3人で行うので、法定相続分に従うと、分割は妻が1/2で子供がそれぞれ1/4ずつとなります。
遺産分割中に妻が亡くなった場合、2次相続が発生し、子供2人が妻の遺産を1/2ずつ分割します。
元から辿れば、結果的に子供は1次相続で1/4ずつ、2次相続で妻の遺産1/2ずつ=1/2×1/2=1/4ずつ分配するので、遺産を1/2ずつ分ける形となります。
(例2):3次相続
上記の図では3次相続まで相続が重なってしまっている状況です。
1次相続では祖父の遺産は配偶者である祖母が1/2、子である叔父、父、叔母、叔母2がそれぞれ1/2×1/4=1/8ずつ分配されます。
2次相続では父の相続開始による法定相続分は、配偶者である母が1/2、子である兄、本人、弟はそれぞれ1/2×1/3=1/6ずつを相続します。
3次相続では本人死亡の相続開始による法定相続分は、配偶者である妻が1/2、子供達はそれぞれ1/6となります。
結果、祖父が死亡した際の遺産については、祖母、叔父、叔母、叔母2、兄、弟、妻、子供1、子供2、子供3の11名が相続人となり遺産分割協議を行います。
父の死亡については、母、兄、弟、妻、子供1、子供2、子供3の7名で、本人の死亡については妻、子供1、子供2、子供3の4名で、それぞれ分割協議が必要となります。
このように数次相続が重なっていくと相続手続きが複雑になっていきます。祖父の財産についても子供が受け取る配分は1/8×1/6×1/6=1/288と非常に細分化されます。
加えて、相続人も多いので分割協議の進行が円滑に進むとは言いづらいでしょう。
【代襲相続との違い】
代襲相続とは、被相続人が亡くなるよりも前に被相続人の子供や兄弟姉妹が死亡等の理由で相続権を失っていた場合に発生する相続のことです。
数次相続は相続手続きが開始された後、相続人が死亡した場合に生じるものなので、数次相続と代襲相続の異なる点は、亡くなった順番の違いによるものと言えます。
相続に関して、お悩み等ございましたら、相続専門の六法法律事務所までお気軽にご連絡ください。
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