こんにちは。
六法法律事務所の弁護士、道本幸伸です。
私の得意分野は、相続、遺言、遺産分割等の相続全般です。
新宿オフィスにて、ご相談を承っております。
相続が始まってから金融機関や不動産登記の名義変更をしようとすると、様々な書類を用意するように言われます。
今回はその中でも、普段はあまり聞かない戸籍に関係する書類についてご説明いたします。
【戸籍に関する書類は多種あります】
戸籍に関する書類は、実はたくさんあります。現在戸籍(=いわゆる「戸籍」)、除籍、改製原戸籍です。
こんなにいろいろあるとは、相続を体験するまではなかなかわからないことですね。
では一つひとつご説明します。
【現在戸籍(=いわゆる「戸籍」)】
戸籍に関することばで、普段聞きなれているものは「戸籍謄本」「戸籍抄本」ではないでしょうか。ここでいう「戸籍」は厳密にいうと「現在戸籍」のことです。
現在戸籍とは、現在、その戸籍に籍がある人がいて使われているもののことです。
本籍地として届けられた市区町村に保管されています。
現在戸籍には、夫婦とその未婚のこどもが書かれています。戸籍の始まりは婚姻です。
結婚により親の戸籍から離れて、新しい戸籍を作ります。そこに生まれたこども、離婚や再婚、養子縁組、こどもが結婚して戸籍を離れた日、死亡日など、家族関係が全て記載されているのが現在戸籍です。
そして「謄本」と「抄本」の違いはご存知でしょうか?
このように同じ「現在戸籍」でも、相続で使うのは謄本の方です。被相続人と同じ戸籍に入っている・入っていた人がわかり、被相続人との関係性を特定できるからです。戸籍謄本は、本籍地でとることができます。
【除籍】
除籍とは本来は、死亡や養子、婚姻などにより、誰もいなくなった戸籍のことです。けれども相続の際には少し意味が変わります。
相続の際に金融機関などから求められる「除籍謄本」とは、「被相続人が死亡して、除籍になったことが記載されている戸籍謄本」のことです。除籍謄本は除籍となった時点での本籍地でとることができます。
仮に被相続人が本籍地をずっと出生地に置いたままの場合には、その出生地の市区町村役場で取得しなければなりません。
遠方の場合には、郵送でも受け付けてくれますので、事前にその市区町村役場に電話で確認をしてから、取り寄せ手続きをしましょう。
【改製原戸籍】
戸籍は明治以降の長い年月の間に、書き方や書く内容が変わってきました。
その変更は明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成22年に行われています。
例えば現在の戸籍謄本は平成22年の改製によってデータ化(=コンピューター化)された結果、A4判横書きのものになりました。それ以前は縦書きで、タイプライターもしくは手書きで作られていました。
そしてやっかいなことに、新しい様式に変更する際に、以前の情報をそのまま移行させていません。戸籍法の改正により、死亡や離婚、養子縁組、認知、婚姻による除籍など、相続に関係するような身分関係の記録も、新しい様式の戸籍に移されていないのです。
このため今の戸籍や除籍謄本を見ても、その改製日以前の情報はありません。金融機関での手続きや相続登記の際に「被相続人の方の出生から死亡までがわかる戸籍関係の書類を集めて下さい」と言われた場合には、現在戸籍、除籍謄本だけではなく、本籍地をたどりながら改製原戸籍をとり、出生まで遡らなければならないのです。
次回は、改製原戸籍の必要性と、戸籍関係の書類を取得できる人についてお伝えします。
相続に関して、お悩み等ございましたら、相続専門の六法法律事務所までお気軽にご連絡ください。
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